お姉ちゃんの憂鬱
「あのー、履いてきた靴も下駄箱に置きっぱなしだとやられるんじゃないですか?教室に持ってきた方がいいと思いますけど」
そこで、今まで黙って話を聞いていた誠がそんなことを言った。
「確かにその方がいいな。これ以上被害増やされても困る。直江もってきて教室に置いておけ」
「ペットくんは頭がいいですね。お姉ちゃんの教育の賜物ですか」
「直くん、早く取ってきなさい」
「いってきます」
相変わらずの無表情で研究室を出ていく直くん。
残ったあたしたちも教室に向かおうとすると、メガネに呼び止められた。
「お前らの方は変化なしか?」
「オレがばっちり護衛してますので心配いりません」
「それならいいけど、そのうち本当にお前の方に矛先が行くかもしれないからそれも警戒しておけよ」
「わかりました」
「…誠さ、あんたが危険になるなら一緒にいない方がいいんじゃ…」
「かなちゃん、それじゃ相手の思うつぼだよ?オレが離れてかなちゃん一人にした途端に襲われたらどうすんの?」
「…でも、誠が危ない目に遭うのは嫌だ」
「オレはその百倍かなちゃんが危険な目に遭うのが嫌だよ。だから、うだうだ言ってないで黙ってオレに守られてて?」
「…うむ」
「……お前らそれナチュラルにやってるのがスゲーよな。恥ずかしくないの?高校生ってそういうの恥ずかしいっていう意識ないの?それともオレがおかしいのか?」
なんかブツブツ言っているメガネは放っておくことにした。