Love their
その姿に彼が重なる。


大きくて力強いだけでなく、いつまでも途絶えることのない美しさを兼ね揃えた月は、


身を委ねたくなる男気からは想像出来ない繊細な容貌を持つ彼と同じかもしれない。



月の下、走る私をいつまでも包んで下さい。



いつでも見上げた時に貴方がいる。



そんな存在でいて欲しい。


この時間、まだ彼は仕事をしているのだろう。



ごめんなさい。


今日は少しだけ寄り道します。



でも、次は貴方のところに向かいます。



漕いでも漕いでも疲れを感じない身は、そんな貴方がいてくれるから。




レイは彼を想いキュンとなる胸を踊らせながら夜の街を快調に飛ばしていた。



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