Love their
笑い合いながら彼の意外さに驚きつつも近くに感じたようで嬉しかった。


「嫌いになった?」


信号待ちで停止した彼がこちらを向いて片眉をクイッと上げてレイに言った。


「そんな訳ないよ」


「はは…良かった」



「今一番のツボが鰻弁当かな」


「あ〜それ、私も食べたっっ意外に本格的なのでしょ?」


「そうそう、それ!」




―――



全ての話す聞く会話が新鮮で絶えることが無かった。

「レイ」


「あ、はい」


話が途切れた時にいきなり名前で呼ばれて少しびっくりした。


「大丈夫か?」


「え…?」



さっきタクシーの運転手にも言われた。



無理が顔に書いてる。



レイはそのことを指摘されたのかと思い返事する言葉を濁してしまった。


「いや、熱ないか?」


「熱…?」


「あぁ、熱かった。さっき…」



彼と逢えて抱き合ったあの時の…。


確かに、まだ顔が熱るような気もする。


エアコンの効いた車内で冷えた身体と反比例して手だけが異様に熱い。



彼は路側帯に車を横付けすると身を乗り出してレイの頬と額に手を当てた。


< 200 / 274 >

この作品をシェア

pagetop