Love their
とっさの彼の行動に落ち着いていた心臓が再び大きく揺れだす。



ドクン…ドクン…



レイの首筋を彼の手がそっと撫でる。


彼の少し冷えた指先が触れて身体全体に電気が走る。


ドクン…ドクン…



自分でも頚動脈の拍動が早く感じた。



じっと神経な眼差しの彼の顔が近すぎてまともに見れない。



やばい。



「喉、痛くない?」


「うん…」


「ちょっと風邪気味かもしれないな…熱高いよ」


「そうかな…」


それは、貴方と居るから。

こんなに近くに感じるから余計に熱が上がっちゃうんだよ…。



「…今日はもう帰った方がいいよ」


「えっ…?」


「帰ろう。家まで送るよ」


そんな…。
私は大丈夫だよ…。



彼は唖然とするレイの頭をクシャっと撫でると元の姿勢に直った。


ハンドルを切りUターンする車。

さっき眺めていた景色を再び戻る。


「…大丈夫だよっっ全然さんどくないし…それに今逢ったばっかりだよ…」


レイは手で頬をパンパンと挟みながら言った。


「…だめだよ。帰ろう」


彼はこちらを見ることもなくハンドルを握ったままだ。


そんな…。


帰りたくない。


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