Love their
「雰囲気ある男って誰が見ても惚れられるもんよ、医者だし相当モテるんじゃない?」


今度はじっとレイの目を強く見つめて言った。


「そうだよね…」


ため息をつきながらレイが呟く。


彼の正確な年齢も知らない。


結婚しているか、どうかも。


こんなんだったらサトルに聞いとくべきだった。


誰にでもフレンドリーなサトルだからきっと話をする中で個人的なことも聞いているかもしれない。


その時はうしろめたくて絶対聞けなかった癖に。


なんだか、告白を渋って後悔している中学生みたいだ。


「まぁ、同じ匂いを感じるってことは向こうもだいたい感じてること、多いよ。」


やばいね〜はまっちゃうね〜と呟きながら話をひと区切り入れるかのように、里子はお菓子の袋を開けた。

食べなよ、と里子は袋の開け口をレイに向けた。


「さて、私はまず一服と…」

里子はスーパーの袋からメンソールの煙草を取り出し火をつけた。


レイは煙草を吸わない。


吸わない人って話の途中で火をつけられるのって嫌なんでしょ?
里子は煙草を器用にくわえながらモゴモゴと言いながら吸い込んだ。
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