誰もしらない世界
藤田(そうだよ?)

歩(そうですよね?あ、気にしないでください。)

そう歩は言葉の裏で前世の記憶を無意識に辿っていた。
ここは…あの居酒屋?

あれ、私は誰だろう…
私は歩?それとも違う歩…?

なんだか先程までの自分とは感覚が変わっている。
そう、今の歩は過去の歩だった。まるで歩一人の時間が止まったように感じていた。

そして、歩は水を口にする藤田をみて気がつく。

この人は…ひょっとして…私の元婚約者…

その事実に気がついた時、歩はまた元の歩へと戻る。

歩(あ、そうだ。ねぇ、藤田さん…私困ってることがあって…)
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