誰もしらない世界

ウィーン…
エレベーターは下へと降りる。
側近の男はエレベーターの中でケータイを確認する。

側近の男(あれ？なんでだろう。ここも電波がないな。)

ビルの周辺には杉浦が電波を妨害するように仕組んでいた。

エレベーターは一階に到着する。

チーン。音がして男が顔を上げると同時に杉浦からピストルで頭と心臓を撃ち抜かれた。
考える暇すらない秒殺の瞬間だった。
側近の男はエレベーターの後ろにうなだれて、口、腹部、頭部から血をながし倒れた。

杉浦「ムシケラが。」
そう呟いて杉浦はその場を去り、非常階段へと移動した。

一方部屋に閉じ込められたれいかは外のピストルの音を聞く。

バン！バーン！

れいかはハッとして窓を見る。
ビルとビルの隙間にある窓の下はとても人が逃げられるようなスペースはなかった。

れいか(まさか…あの音…ピストル？まさかね…)
ぞっとれいかは身震いをすると共に、改めて自分の置かれた状態が最悪の状況に気がつく。