*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
しかし、傍らで聞いていた天城は、強く同意するように頷いた。





「そりゃ名案ですよ、お頭!!



この娘の青い瞳ーーー。


泉の守り神と言われている、伝説の『青瑞(あおみず)の姫』にぴったりだ!!」






嬉しそうな天城の声を聞いた汀は、興味津々といった様子で、天城のほうににじり寄った。





「まぁ、なんなの、青瑞の姫って?」





汀の顔があまりにも近いので、天城はどぎまぎしたように顔を少し赤らめてから、語り始めた。






「………いや、この青羽山に、昔から伝わる伝説なんだが。



青羽山の奥深く、普通の人は辿り着けないような所に、それはそれはきれいな泉があって。



その泉は精霊が守っているから、決して汚れることも尽きることもなく、透明な水が湧き出し続けているんだとさ。



その泉の守り神ってのが、『青瑞の姫』という名で呼ばれているんだ」







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