*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
そんな二人の様子を、母は微笑ましく眺めていた。





迷惑そうな顔をしながらも、どこか優しく包み込むように汀を見つめている灯。






「ーーーそれでもあなたは、そのお嬢さんのことを放っておけないのね」






核心を突かれて、灯は一瞬動きを止めた。






思わず何か反論したくなったが、澄んだ眼差しを向けられると、そんな気も失せてしまった。





諦めたように口許を緩めると、小さく吐息をつく。






「そうですね………。


本当にこいつは、どうしようもない奴で、俺は振り回されてばかりなんです。



でも………この、底抜けに明るい笑顔を見ていると………どうしようもなく惹かれて。


俺は、それを、どうしても守ってやりたい、と思うんです。



本当に、能天気な阿呆だけど………俺は、そんな汀のことが………」







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