終わりを見てからはじまる物語。【仮】
「…奏多くん?」
名前を呼ばれて
顔をあげると
優羽のお母さんがいた。
今、仕事から駆けつけたのか、
髪は1本に束ねられ
スーツを着ていた。
「お久しぶりです」
「…久しぶりね…
すっかり背も高くなって…」
中学の部活でも
一緒だったから
一応少しの面識はあった。
少し意地っ張りな優羽よりも柔らかい印象だ。
ほぼ黒い髪の毛は
毛先だけがくるんと巻いてある。
前に見た時よりも
少し痩せたように見えるのは
優羽のことが
あったからだろう…
「あの子…奏多くんには
体のこと話したの…?」
「あ…いえ、
偶然知ってしまったというか…」
「そう…
奏多くん、優羽が倒れた時
その場にいたのよね?
何をしてたの?」
走ることを
もしかしたら
反対されていたのかもしれない
とすると
言わないほうがいいのか…?
「競技場にいました」
とりあえず
そう言うことで
走ってたことは言わずに済んだと思った。