箱入り結婚のススメ
「だって、居酒屋なんてところ、舞のご両親にしてみれば、ありえない場所なのかもしれないし……舞に彼氏ができるかもしれないんだよ」
そうは言っても、やっぱり彼氏だなんて、ピンとこない。
「できないよ」
「あれー、十月号読んでないの?」
麻子がなんのことを言っているのかわからなかった私は、首をかしげた。
「特集であったでしょ。
彼氏ができないと思っている人には、いつまでもできないって。
作ろうと思わないと始まらないってさ」
「あっ……」
そういえば、そんなことが書いてあった気もする。
「まだ読み込みが足りないわよ、舞」
麻子の言葉に肩をすくめると、「彼氏、欲しいでしょ?」と言われて考え込む。
欲しい、かもしれない。
麻子にグイグイ押されているからじゃなくて、単なる外の世界への好奇心でもなくて、もしもこの世に私を好きになってくれる人がいたら、幸せだろうなって思うから。