箱入り結婚のススメ

「お連れ様がいらっしゃいました」


店員さんの声の後、ふすまが開いて身構えると、どうも麻子の友達の様だ。


「麻子、久しぶり。来てくれてありがとう。
あとふたり、どうしてもつかまらなくて」

「ううん。私も加奈(かな)の会社の人と合コンできるなんて、ラッキーだもん。
あっ、こちら速水舞」

「初めまして、速水と申します」


私が丁寧に頭を下げると、麻子がクスクス笑う。


「舞ね、箱入りのお嬢さんなの。
ちょっと感覚がずれているところもあるけど、すごくいい子なのよ」


感覚がずれている……のだろうか。
自分ではよくわからないけど『いい子』と言われるのはうれしい。


「舞さん、初めまして角田(つのだ)加奈です。こっちは根本文香(ねもとふみか)。
麻子が無理やり誘ったでしょう?」

「いえ、そんなことは……」

「お嬢さんにこんなコンパなんて、いいのかしら?」


文香さんが心配そうな顔をする。


「いいの。舞は社会勉強中。コンパも恋もこれからよ」

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