箱入り結婚のススメ
「いい、のかな……」
「うん。舞さんはずっと、ご両親の期待に応えようと頑張ってきたんだ。
少しだけ肩の荷を下ろしてみないか? 難しいことは後で考えよう」
そうか……父と母の気持ちが重いと言いつつ、それに応えたいとも思っていたのかもしれない。
私が大きく頷くと、彼は車を発進させた。
彼とのデートは、それはもう新鮮で楽しかった。
繁華街の駐車場に車を停め、ウィンドウショッピングを楽しんだ。
と言っても、室賀さんを付き合わせただけなのだけれど、彼は嫌な顔ひとつせず一緒にいてくれた。
あれほど父に腹を立てていたというのに、彼との楽しい時間がそれを忘れさせてくれた。
「舞さんって……お嬢さんだから、派手に買い物をするのかと思いきや、本当に“ウィンドウ”なんだね」
「あっ、ごめんなさい。つまらないですよね」
私が慌てて頭を下げると、「違う、違う」と笑う。