箱入り結婚のススメ
「私が選んでもいいですか?」
「選んでくれるの?」
私は小さくうなずいた。
麻子と一緒にこうして買い物を楽しんだことはある。
お互いに「こっちのほうが似合う」だとか「これはそのうちバーゲンになりそう」だとか言い合いながら。
その時もとても楽しかったけど、好きな人ために品物を選ぶという行為は、一層気持ちが高ぶるものだと知った。
「舞さん、これは?」
「ちょっと……うーん」
選ぶといったくせに、なかなか決められない私をクスクス笑う室賀さんは、いくつか候補を見せてきた。
だけど、私の中に膨らんだイメージに合う手袋とはちょっと違う。
「あっ、これ!」
不自由な手でたくさんの手袋の中から、チャコールグレーのケーブル編みの手袋を発見した時、なんだかビビッときた。
「これがいいです。絶対」
無理やり彼に押し付けると、室賀さんは微笑んだ。