箱入り結婚のススメ

「俺……相当、舞さんにやられてるみたいだ」

彼は私をそっと解放した。


「ごめん。帰したくないと思ってしまった。イヤだったよね」


私は首を横に振った。
すごく驚いて、今でも心臓がドクドク音を立てているけど、少しもイヤだなんて思わなかった。
むしろ、もっと抱き締めていてほしかった。


「アメリカに行っている間、待っていてくれるかな……」

「もちろん、です」

「実は……何度も出張から帰ってくると彼女がいなくなってたってことがあって……」


麻子が前に言っていた通りだ。


「私は、待ってます」


きっぱりとそう言うと、彼は嬉しそうに微笑んだ。

私も寂しい。
毎日会っているわけではないけれど、離れたところに行ってしまうと聞いただけで、気分が沈んでしまう。


これが……恋、なのかな。
愛しい人のことを思って、ドキドキしたり寂しく思ったり。

感情の起伏が、自分でもこんなに激しいとは思っていなかったから、自分の変化にちょっと驚く。

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