箱入り結婚のススメ
同じように車を降りた私が「ありがとうございました」と頭を下げると、彼も一緒についてくる。
「ここで大丈夫です」
「いや。僕がなんとかすると約束したはずだよ」
「でも……」
私が戸惑っていると、彼は照れくさそうに笑う。
「ホントは、一秒でも長く一緒にいたいんだ」
こういう人なのだ。
そうやってさり気なく、私に助け舟を出してくれるのだ。
「舞です」
私がインターホンに対応した母に語りかけると、すかさず室賀さんが口を挟む。
「遅くまで舞さんをお借りしました。すみません」
「あぁ、舞。心配したのよ」
すぐに玄関から出てきた母は、私を見つけるとホッとしたような顔をした。
「本当に申し訳ありませんでした」
「いえ、室賀さんが電話をくださったから、安心して待っていられました」
「電話?」
母がなにを言っているのかよくわからない。
「室賀さんが、舞は一緒にいるから心配しないでと電話してくださったの。少し息抜きさせてあげたいって」