箱入り結婚のススメ
「麻子って、井出さんにどれくらい会ってるの?」
「うーん。特に決めてはいないけど、週末は大体彼の部屋にいるかな」
「そっかー」
室賀さんも元々静岡の出身で、大学進学と同時に上京して、東京でひとり暮らしをしている。
私も彼の部屋に行ったりするようになるのかな。
それはそれで、ちょっとうれしい。
「舞は? 室賀さんの部屋にもう行ったの?」
「ううん、まだだよ」
「そうだろうね。室賀さんも気を使ってそうだし」
どういうこと?
「これ、舞のために持ってきたの。貸してあげるから、一応勉強しとく?」
麻子が私に差し出したのは、ウーマンライフの夏の特別号だった。
「あ……」
「"あ”って、そういうことが近い将来あるんだからね」
特別号の表紙には、"男と女のセックスの本音"とデカデカと書かれている。