箱入り結婚のススメ

室賀さんは自分のスマホを取りだして、登録してあった私の自宅の電話番号を表示させ、ボタンを押した。


「こんばんは。室賀です。夜分遅くにすみません」


とても丁寧な口調で話し始めた彼を見つめていることしかできない。


「先ほど帰って参りまして、今、舞さんと一緒です。
よろしければ、舞さんをお食事にお誘いしたいのですが」


こんなの普通ではないだろう。
私が母に電話して許可を得るべきだ。

だけど、こうやって彼自身が母に電話をすることで、母も安心するのかもしれない。
そして、それがわかっているから、室賀さんは電話をしてくれたのだろう。


「ありがとうございます。舞さんは責任を持って、お送りします」


電話を切った室賀さんは「許可はいただいたから、行こうか」とハンドルを握ってギアをドライブに入れた。


「あの……」

「ん?」

「面倒、ですよね」

「なにが?」

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