箱入り結婚のススメ
夏になると、秀明さんの長期出張が決まった。
ワシントンに約二か月。
出張が多いとは聞いていたし、短期の海外出張はこれまでも何度もあった。
だけど、二か月というのはちょっと長すぎる。
「ごめんな。舞」
「なに言ってるんですか? 仕事ですから仕方がないですよ」
そう言いつつも、本当は寂しくてたまらない。
彼と会えるのは主に週末だけだったけど、それでも、近くにいる。会いたいと言えばいつでも飛んできてくれる。そんな環境とは違うのだ。
「毎日電話するよ」
「でも電話代がかかっちゃう」
「その分、働くさ」
彼は少しおどけた様子でそう口にした。
だけど……。
「舞」
「はい」
「待ってて、くれるか?」