箱入り結婚のススメ
秀明さんがワシントンに長期出張してしまうと、休日に麻子が食事に誘ってきた。
すると、彼女は思わぬことを口にする。
「広大、遠くに行っちゃうんだって」
「どうして? 転勤?」
大きく頷いた麻子は珍しく沈んだ顔をしていて、なんだか痛々しい。
「それで、どこに?」
「うん。内示が出ているのは福岡」
「福岡!」
福岡に行ったことのない私は、東京から何時間くらいで行けるのかとっさに思い浮かばない。
「いつ、まで?」
「いつって、そんなの行く時から決まってないよ。
中には何年修行して来いって言われる人もいるみたいだけど、そういうことって少ないんだよ」
それって、いつまでかわからないってこと?
確かに父も私が小さな頃に単身赴任をしていたこともあった。
私の学校を転校させたくないと。