箱入り結婚のススメ
「舞」
リビングに置いたバッグを手にすると、彼は私を呼び止め、引き寄せる。
「愛してる」
そして重なる唇。
もう何度もこうしてキスされたことはあった。
だけど、今日は少し違う。
私の頭の後ろに手をまわした彼は、しばらく離れる様子が、ない。
彼は何度も角度を変えて、私にキスを続ける。
そして……一瞬唇が離れたすきに息を吸うと、唇の隙間から彼の舌が入ってきた。
「ん……」
こんなこと、初めてだった。
経験のない私を気遣ってくれていた彼は、一度だってこんなことしたことがなかった。
だけど……。
「口、開けて?」
緊張で体をこわばらせていると、それがわかった彼は一度私を離して囁く。
「舞が欲しい」
私の唇を覆った彼は、こわごわ唇を開いた私に、再び舌を滑り込ませてきた。