箱入り結婚のススメ
もう一度唇を重ねた彼は、シーツを体にかけてくれた。
「幸せだな。早く舞と一緒に暮らしたい。
そうしたら毎日こうして抱き合える」
「毎日?」
「そ、毎日でも舞を抱きたい。
そしていつか、ふたりの子が欲しいな」
クスッと笑った秀明さんは、私の額にキスをする。
『ふたりの子』だなんて実感がわかない。
だけど、彼と結婚したらそうやって家庭を築いていくのだと考えると、心が満たされる気がした。
結納は、秀明さんが言っていた通り、略式で行うことになった。
母に相談したら、「お父様のショックを和らげてあげて」なんて笑うから、私もおかしくて笑ってしまった。
それに、「いきなり式では、気持ちがついていかないものよ」という母の言葉が妙に胸にストンと落ちた。
結局、ローズパレスの安永さんに手配してもらって、私達は結納を迎えた。