箱入り結婚のススメ

最後に父が頭を下げると、秀明さんの両親も丁寧に頭を下げている。

あんなに不貞腐れていた父も、なんだか生き生きしている。
母の言う通り、覚悟が決まらないだけで、喜んでいてくれているのだと強く感じた。


「舞……」


ロビーで双方の両親が挨拶を交わしている間、秀明さんが私の手を引いて心配そうに顔を覗き込む。


「大丈夫です。ちょっと緊張してしまいました」

「あはは。俺も」


そうは見えなかった。
秀明さんは終始堂々としていて、ただ黙って相づちを打っていた私とは違い、父や母とも会話を弾ませていた。

きっと彼はビジネスでもこんな凛々しい姿を見せているのだろうなと思えて、とても頼もしく感じた。


「きれいだよ」

「えっ?」

「今日の着物姿も、本当に綺麗だ。結納してよかった」


なんだか照れくさくてうつむくと、やっと緊張が緩んでいくのを感じる。
いつだって彼は、私に安らぎをくれる。

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