箱入り結婚のススメ

省略してしまおうかと思っていた結納は、やってよかったと思えるものになった。

堅苦しい挨拶ばかりだったけれど、父の気持ちにも触れることができたし、秀明さんの妻になるという覚悟が、いっそうはっきりしたよう思う。

『いきなり式では、気持ちがついていかないものよ』と母が父のことを言っていたけど、それは私も同じだったのかもしれない。



それからしばらくして、麻子の結婚式が行われた。
その日はとても寒かったけど、ふたりの門出を祝うかのように晴れ渡っていた。


秀明さんと一緒に招待された私は、式から出席した。
麻子が「予行練習よ」なんて笑いながら、準備の部屋にも入れてくれたから、本番の雰囲気を存分に味わった。


やがて、式が始まった。


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