箱入り結婚のススメ
やがて神父様の前まで来ると、父が一礼して私を秀明さんに託した。
神父様の話が始まると、ガタガタ震えてきてしまった。
するとそれに気が付いた秀明さんか、彼の腕に手をかける私の手を、もう片方の手でそっと触れてくれる。
それをきっかけに、少しずつ緊張が緩んで、落ち着きを取り戻していった。
誓いの言葉を口にしたとき、本当に彼の妻になれるのだと、胸がいっぱいになってしまって、声まで震えてしまった。
だけど私とは対照的に、秀明さんは終始落ち着いているように見える。
こんなに大舞台でも動じない彼に、頼もしさを感じる。
「指輪の交換を」
安永さんが持ってきてくれた指輪を手に取った彼は、私の左手薬指にそっとそれをはめた。
次は私の番だ。
だけど、緊張と感動で震える手に持った指輪は、彼の手にうまく収まってくれない。