箱入り結婚のススメ

「大丈夫。焦らないで」


秀明さんの優しい声のおかげで落ち着きを取り戻し、無事に彼の指に入れることができた。


「誓いのキスを」


少し屈んでベールを上げてもらうと、秀明さんの目が潤んでいる気がして驚いた。
こんな姿、見たことがない。


「愛してる」


私以外の人には聞こえないような小さな声でつぶやいた彼は、私の肩に両手を置いた後、唇を重ねる。


それからは、涙が止まらなくなってしまった。
頭の中で、秀明さんと出会ってからのことが駆け巡る。


就職して、秀明さんに出会い……自分の意志で歩くことの素晴らしさを知った。
家族の温かさと、強い絆も改めて感じた。
そして……不器用でも必死にぶつかれば、子供達に思いが伝わることもわかった。


彼と出会ってから、私は幸せなことばかりだ。


そして今日、世界で一番愛する人の妻になる。

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