箱入り結婚のススメ

式が終わると、ほっとしてまた涙があふれる。

控室に戻った私の頬をそっと拭った秀明さんの左手には、なかなか入らなかった指輪が輝いている。


「舞、お疲れ様」


秀明さんは、いつもの優しい顔で私を見つめる。


「本当に……本当に私……」


幸せだ。

まだこれから披露宴があるというのに、感極まって胸がいっぱいだ。


「俺達は幸せだ。こんなに祝福してもらえて、本当に幸せだ」


私の言いたいことを彼が代弁してくれた気がした。


だけど、余韻に浸っている時間はなかった。
すぐにお色直しをして、披露宴の準備にかかる。

白地に紫や赤といった色鮮やかな唐草文様の色打掛に着替えると、自分の変わりように驚いた。

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