箱入り結婚のススメ

「すみません」


丁度帰りの園バスが二台出ているところで、先生の手も足りない。
職員室は園長先生しかいなかった。


「まぁ、速水先生、どうしたんです?」


砂だらけの私を見て、園長先生が驚きの声を上げている。


「ちょっとやってしまいました。
小栗先生、ありがとうございました。もう園庭に」

「でも……」


この時間は、次のバスを待つ園児の自由時間だ。

今日は園庭の監視が私と小栗先生の担当だったのだ。
誰もいないのはまずい。

この年頃の子供たちは、まだケンカもすればいたずらも大好きなのだから。


「速水先生は私が診ますよ。小栗先生、あとはお願いします」


心配そうな顔をした小栗先生に園長が声をかけると、心配そうな顔をして園庭へと戻っていった。


< 43 / 450 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop