箱入り結婚のススメ
「すみません」
丁度帰りの園バスが二台出ているところで、先生の手も足りない。
職員室は園長先生しかいなかった。
「まぁ、速水先生、どうしたんです?」
砂だらけの私を見て、園長先生が驚きの声を上げている。
「ちょっとやってしまいました。
小栗先生、ありがとうございました。もう園庭に」
「でも……」
この時間は、次のバスを待つ園児の自由時間だ。
今日は園庭の監視が私と小栗先生の担当だったのだ。
誰もいないのはまずい。
この年頃の子供たちは、まだケンカもすればいたずらも大好きなのだから。
「速水先生は私が診ますよ。小栗先生、あとはお願いします」
心配そうな顔をした小栗先生に園長が声をかけると、心配そうな顔をして園庭へと戻っていった。