箱入り結婚のススメ

「頭からお湯をかけても平気か?」

「平気だもん!」


実に反抗的だ。

貴也が平気だというから、シャワーを頭からかけてやると、大きな声で「うわーん」と泣き出した。


「どうしたの?」


するとバタバタと舞がやってきて顔をのぞかせる。


「おじちゃんが、頭からお湯かけたー」


いやいや、待て。
お前が平気だって言ったじゃないか!


「秀明さん、ごめんなさい。貴也君、顔に水がかかるの苦手みたい」


申し訳なさそうにそう言う舞に「ごめん、ごめん」と一応謝る。


舞が行ってしまうと、貴也はすぐに泣き止んで、俺をにらんだ。
お前、嘘泣きか?

しかも『おじちゃん』って……。


溜息が出そうなのをぐっとこらえて、顔に水がかからないように丁寧にシャンプーをしてやり、体も洗ってやる。
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