キスしたくなる唇
「そうだよね」

 千秋さんは「蜘蛛の糸」を本棚に戻し、俺の横に座る。

 2人で並んだ状態。

 しかも、女性2人だったらゆったりと座れるソファも、俺のせいで腕が触れ合うくらい密着している。
 
 千秋さんの顔を見ると、戸惑っている表情だ。

「ごめん。俺、あっちに座ろうか?」

「えっ!? いいのっ! 大丈夫。わたしの方こそ、ごめん」

 なぜか千秋さんは顔を真っ赤にして謝った。


< 16 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop