青い残光【完】
「う…梅さん…っ!」
彼は、あの日と同じように振り返り、立ち止まった。
わたしは、何故か切ない気持ちになったけれど気付かないフリをした。
「…おっしー?」
キャプテンたち、他の3年生はわたしのことを気にしながらも先を歩いて行った。
どうやら、気を遣ってくれたらしい。
…キャプテンにも、バレてたのかな?
今となっては分からないけれど。
わたしは、歩みを進めて彼に追いついた。
一歩一歩、近づく距離。
彼に近づいていくごとにわたしの心臓は激しく鳴り、頬は紅潮する。
あぁ、こんなにもわたしは、彼が好きで。
こんなにも体が訴えている。
どうか、伝わってほしい。
どうか、分かってほしい。
ほんのちょっとでも良いから。
「梅さん、わたし…梅さんのことが好きです。」