your magic
その通りだった。

まともに教科を持っているわけではない。司書教諭という形で「教諭」となっているにも関わらず、教科担当を持っているわけではない。情報科の授業に入ることはあるけれども、あくまで教科担当の先生が中心であり、アシスタント以上の役割をするわけではない。

その分、図書館の仕事をしているといえば、そのとおりではあるけれども、どこか、教科担当の先生より楽をしているような気がしてならない。部活の顧問も、大野先生の配慮からか、今のところ免除になっている。

「ほのは、自己評価が低いって、大野先生が心配してたよ。」

初めて聞いた。

「大野先生だけじゃない。マッチーも心配してて、だから今日、佐久間先生が図書室入るのが見えて、嫌な予感がしたらしいんだよ。」

正樹さんと町田先生は、同じ大学・同じサークルの先輩後輩の仲で、仕事を外れるとマッチーと呼んでいた。職場の中で、私と正樹さんが付き合っていることを知っている唯一の人だ。マッチーには話していい?と聞かれて、ちょっと不安だったけれども、OKをした唯一の人だ。正樹さんが話していいかと聞いた意味が、初めて分かった。
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