今日は、その白い背中に爪をたてる
ーバタン
手首を引っ張られる形で晴斗に続いて部屋に入った。
二人立ち止まった玄関は、モデルルームみたいに広くてもうここで寝泊まりが出来そうである。
でも今の私には玄関でさえ居心地が悪くて、何も言わない晴斗の背中に掠れた声をかけてしまった。
「は、ると…」
名前を呼んだ一瞬、背中の強張りが解けて見えたが本当に一瞬だった。
「今まで、どこで何してたの?」
「仕事が、忙しくて、現場に寝泊まりしてて、」
聞かれる事は承知だった。
模範解答は勿論準備してあった。
「一ヶ月も、家に帰らないで?」
「そ、れは、」
それでも鋭いヤツには通用しない。
言い淀んだ私の手首を掴んだまま、晴斗は振り向いた。
酷く歪んだ表情が、私の胸を貫いた。
「SATOMIに聞いても、皐月さんに聞いてもあなたが何をしてるか、どこにいるかも分からないっ!!
どうして、電話に出てくれなかった…?
なんで、そんな……」
泣きそうな顔で私に縋り付く晴斗。
肩口から漏れ聞こえる疑問の声は私の心を熱くさせるのに、この状況をどこか冷静に見ている自分もいる。
彼を愛している気持ちを捨てることは出来なくても、大人としての覚悟は出来ているからかもしれなかった。
「晴斗、」
なるべく優しく、穏やかに呼ぶと彼はゆっくりと顔を上げて私と目を合わせた。
こげ茶色の瞳は揺らいでいる。
「連絡出来なかったのは忙しかっただけよ、ほんとに。
晴斗が思ってるようなことなんてないから、大丈夫、安心して。」
「……俺が、思ってるようなことってなんだよ。」
「えっ?」
ギロリと鋭い瞳が睨みあげる。
「俺が何を考えてたか、分かってるんじゃないか、何をそんな!!
っ、あなたは、俺に隠れて何をしようとしてるんだよっ!!」
手首を引っ張られる形で晴斗に続いて部屋に入った。
二人立ち止まった玄関は、モデルルームみたいに広くてもうここで寝泊まりが出来そうである。
でも今の私には玄関でさえ居心地が悪くて、何も言わない晴斗の背中に掠れた声をかけてしまった。
「は、ると…」
名前を呼んだ一瞬、背中の強張りが解けて見えたが本当に一瞬だった。
「今まで、どこで何してたの?」
「仕事が、忙しくて、現場に寝泊まりしてて、」
聞かれる事は承知だった。
模範解答は勿論準備してあった。
「一ヶ月も、家に帰らないで?」
「そ、れは、」
それでも鋭いヤツには通用しない。
言い淀んだ私の手首を掴んだまま、晴斗は振り向いた。
酷く歪んだ表情が、私の胸を貫いた。
「SATOMIに聞いても、皐月さんに聞いてもあなたが何をしてるか、どこにいるかも分からないっ!!
どうして、電話に出てくれなかった…?
なんで、そんな……」
泣きそうな顔で私に縋り付く晴斗。
肩口から漏れ聞こえる疑問の声は私の心を熱くさせるのに、この状況をどこか冷静に見ている自分もいる。
彼を愛している気持ちを捨てることは出来なくても、大人としての覚悟は出来ているからかもしれなかった。
「晴斗、」
なるべく優しく、穏やかに呼ぶと彼はゆっくりと顔を上げて私と目を合わせた。
こげ茶色の瞳は揺らいでいる。
「連絡出来なかったのは忙しかっただけよ、ほんとに。
晴斗が思ってるようなことなんてないから、大丈夫、安心して。」
「……俺が、思ってるようなことってなんだよ。」
「えっ?」
ギロリと鋭い瞳が睨みあげる。
「俺が何を考えてたか、分かってるんじゃないか、何をそんな!!
っ、あなたは、俺に隠れて何をしようとしてるんだよっ!!」