今日は、その白い背中に爪をたてる
唇を噛み締めて堪える。
どうせもうこの男とは終わりだ、この隙に行ってしまおう。
最後くらいかっこよくいたい。
クルリとゲートへ身体を向けると、私は歩き出す。
新しい門出、と新品のヒールを履いたのがいけなかったのか、やけに靴音が響く。
未だ硬直しているスタッフを横目に見ながらゲートをくぐる………、ことは出来なかった。
後ろからフワリと抱きしめられて。
肩口に埋められた頭から漏れ聞こえる‘‘ごめん”の声に負けたと思った。
「馬鹿っ、馬鹿馬鹿……!!」
「っ、ごめん、晶、ほんとに……」
私の涙腺は大崩壊していてきっと顔はグチャグチャだ。
溢れる涙は拭っても拭っても止まってくれない。
「うっ、うっく、うう……」
「泣かないで……」
晴斗が情けない声を出してオロオロしながら私を振り向かせる。
見られたくないから私は両手で顔を覆いながら様々な悪態をついた。
「か、隠し事って何よ……」
「うん、」
「わ、たし、嘘なんかついてないし、」
「全部っ、晴斗が悪いんだからっ!!」
「…うん、俺が悪い、ごめんね。」
だから顔を見せて、なんて最低だ。
本当に悪いのは晴斗なんだから、私が責められるのは間違いだ。
告白の返事もくれないなんて。
男女の力の差というのは虚しく、手首を掴まれた私は顔からはがされる。
二日前に私を温かく見下ろしていたブラウンの瞳とかちあった。
「…嫌い、大嫌い、晴斗なんて、」
「…頼むからそんなこと言うなよ。」
大嫌い、もう一度言おうとした唇は慌てた晴斗の指に止められた。
私はそれが内心楽しくて、怒ってなんかないのにさも怒ってる風に睨んでみる。
どうせもうこの男とは終わりだ、この隙に行ってしまおう。
最後くらいかっこよくいたい。
クルリとゲートへ身体を向けると、私は歩き出す。
新しい門出、と新品のヒールを履いたのがいけなかったのか、やけに靴音が響く。
未だ硬直しているスタッフを横目に見ながらゲートをくぐる………、ことは出来なかった。
後ろからフワリと抱きしめられて。
肩口に埋められた頭から漏れ聞こえる‘‘ごめん”の声に負けたと思った。
「馬鹿っ、馬鹿馬鹿……!!」
「っ、ごめん、晶、ほんとに……」
私の涙腺は大崩壊していてきっと顔はグチャグチャだ。
溢れる涙は拭っても拭っても止まってくれない。
「うっ、うっく、うう……」
「泣かないで……」
晴斗が情けない声を出してオロオロしながら私を振り向かせる。
見られたくないから私は両手で顔を覆いながら様々な悪態をついた。
「か、隠し事って何よ……」
「うん、」
「わ、たし、嘘なんかついてないし、」
「全部っ、晴斗が悪いんだからっ!!」
「…うん、俺が悪い、ごめんね。」
だから顔を見せて、なんて最低だ。
本当に悪いのは晴斗なんだから、私が責められるのは間違いだ。
告白の返事もくれないなんて。
男女の力の差というのは虚しく、手首を掴まれた私は顔からはがされる。
二日前に私を温かく見下ろしていたブラウンの瞳とかちあった。
「…嫌い、大嫌い、晴斗なんて、」
「…頼むからそんなこと言うなよ。」
大嫌い、もう一度言おうとした唇は慌てた晴斗の指に止められた。
私はそれが内心楽しくて、怒ってなんかないのにさも怒ってる風に睨んでみる。