俺様常務とシンデレラ

こんなキケンな男みたいな雰囲気醸し出しておいて、妹さん大好きだなんて……。


す、ストイックなシスコン……。


私はなんとなくイケナイものを見てしまったような気分になって、へなへなと嬉しそうに頬を緩める理久さんからは目を逸らし、ひたすらその声を聞き流していた。

私は何も見てない!

何も聞いていない!




小鞠ちゃんが如何に蠱惑的で可愛らしい妹なのかを聞かされながら、私は頭の隅で別のことを考える。


本当の常務は、キラキラ王子様ではないものの、充分に魅力的な人だ。

私がその常務を、ひとりきりで独占したいと思ってしまうほどに。


確かに王子様常務は素敵だけど、意地悪常務のほうが人間味があって好きなんだ。


心の奥はとっても優しい人だから、仮に常務が周りの人に本当の彼を見せたとしても、彼を悪く言う人がいるとは思えない。



常務の本性がただの腹黒く意地悪でドSなだけではないとわかった以上、今となっては不思議でならなかった。




常務はどうして、本当の自分を隠したりするの……?





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