俺様常務とシンデレラ
「絵未ちゃんが結婚するときは、きっとあそこで式を挙げてよ」
「はい、約束します」
その提案に即座に答えたのは、私じゃなくて常務の声。
ちょっと!
なんで常務が答えるの!?
しかも即答!
「え、いや、あ、私、結婚とかまだまだ全然……」
「いやあ、そっか。大和くんが約束してくれるなら大丈夫か。そうならったら、僕のことも式に呼んでくれるかい?」
「え、あの、聞いてます?」
東堂会長は常務の答えにご満悦で大きな身体を揺すってムホホっと笑う。
常務もキラキラ・オーラを全開にして、これで話はまとまったとばかりに肩の力を抜いてアハハと笑っている。
あの、てゆーか、そんな簡単に決めちゃっていいんですか?
さっきまで東堂会長は難しい顔で唸っていたし、常務だって朝から厳しい顔付きだった。
今日の会談は長引くかもしれないけど、絶対に頷かせてみせるって言ってたのに……。
「大丈夫です。きっとすぐに、東堂会長にも佐倉の花嫁姿をお見せします」
いろいろと言いたいことは山々だったけど、常務が有無を言わせぬ笑顔でそう言い切った。
よくわからない約束をしてしまったけど、私の結婚なんていつになるかもわからないし、実現できたとして、あそこで結婚式を挙げることはイヤじゃない。
むしろ嬉しい。