運命の二人~白と黒の物語~
ジャスティスのゆるく編んだ長い髪が、背中から肩へと滑り落ちた。


「リリー・ルゥ。」
熱のこもった声で小さく呼びかけると、彼女の首筋に顔を埋めた。

「ん。」返事をするように声を出す彼女に、気持ちは高まっていく。


耳たぶを甘噛みし、反対側の首筋に唇を這わせた時、凛々がまた呟いた。

「…タロ…」

ジャスティスの動きがピタリと止まった。


ゆっくりと身体を起こし凛々を見つめた。

「夢の中まで、私が入る隙はないのか?リリー·ルゥ。今、君を求めているのは私なんだよ。あんな魂のことは忘れて、私を見るんだ。」


そう切なげに呟くと凛々の首筋に口づけの痕を残した。






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