エターナル・フロンティア~前編~
保障ができないというのなら、立ち去った方がいい。そう判断したソラは、珍しくユアンに提案をする。彼の提案にユアンは苦笑すると、彼自身も精神的に疲れたのだろう立ち去ることを選ぶ。
「そうだね、ソラ君」
そう一言だけ告げると女子生徒達の視線を感じつつ、その場から離れることにした。ソラは先を歩くユアンの背を見詰めながら、彼という人物について考えはじめる。明確な答えは見付からない。ただ、ひとつだけ言えることがあった。それは、彼に抱いている感情だった。
嫌いだ。
だが、それがいつからなのかわからない。
◇◆◇◆◇◆
ユアンの案内により、無事に校舎に到着をすることができた。カディオはそのことに礼を言うも、ソラは何も言わない。しかしそのことに、注意がされることはなかった。素っ気無い態度をするということをはじめからわかっていたのか、特に何かを言うことはしない。
「残念ながら、彼女がいる場所まではわからない。これから先は、自分達で捜してほしいな」
「そうですよね」
「そう言えば、聞いていなかった。何故、幼馴染に会いに来たのかな? 此処は、態々来るような場所ではない」
「それはですね――」
案内してくれた例とばかりに、カディオはベラベラと喋っていく。噛まずに喋れるものだと感心してしまうほど、流暢な喋りであった。それも、十分間。疲れを知らない体質なのか、息切れもしていない。
「なるほど。もう、そんな時期か」
「ラドック博士は人気者ですから、さぞかしもてるでしょうね。本当に、羨ましいことですよ」
「それが、彼女はいないんだよ。仕事が忙しい所為か、なかなか作る暇がなくてね。それに、色好みが激しい」
「う、嘘ですよね!」
彼女がいると思っていたカディオにとって、それは衝撃的な内容であった。ユアンに彼女がいない――連戦連敗中の彼にとって、これはどんなに励ましになったのだろうか。この言葉により、過去に負った傷が癒えていく。それと同時に、何人もの人間と付き合った経験がある自身の方が上だと錯覚した。