エターナル・フロンティア~前編~
「何だか、自信が湧いてきました」
「どのような意味なのかわからないけど、何事も頑張ることは大切だよ。無論、努力もだが」
「だって、ソラお前だって……」
カディオが話を振ろうと自身の横に立つソラの表情を見た、途中で言葉が途切れる。視線の先にあるソラの表情が先程の刺々しい雰囲気から一変、実に穏やかな表情になっていたからだ。
「どうした?」
「いた」
「いた?」
簡略的に返された言葉にカディオは首を傾げると、ソラの視線の先に何があるのか確かめる。その瞬間、理由が判明した。それは、遠くにイリアがいたのだ。偶然ともとれる出会いにカディオは思わず声を上げると、大声でイリアの名を呼び自分達のもとへ来るように促す。
「……お前な」
「まあ、いいじゃないか」
「恥ずかしいだろ」
「そんなことは、関係ない」
カディオの大声に驚いたイリアは足を止め、此方を眺めている。行くのを躊躇ったのか周囲にいた者達と何やら話していたが、名前を呼ぶ相手がカディオだとわかると駆け足で近寄ってくる。
「ど、どうして此処に……」
「遊びに来た」
「そうなのですか」
「うん。元気そうだ」
「はい。何とか元気にやっています。カディオさんもお元気そうで、良かったです。以前は、ありがとうございます」
イリアが自分の名前を覚えていてくれたことに舞い上がり、ソラにそのことを報告する。だが、すぐ隣にいるソラは説明されずともわかっている。その為「煩い」と言葉を返し、横を向いてしまう。
「ソラ、そういう言い方は……」
「そうだぞー。彼女の言う通りだ」
今までの鬱憤晴らしをしているのか、ここぞとばかりにソラを攻め立てるが、ソラは聞く耳を持たない。出会いたくない人物に出会ってしまい、尚且つ説教を長々と聞かされた。お陰で、ソラの機嫌がますます悪くなってしまう。それにこれで平然といられたら、その人物は聖人といっていい。