エターナル・フロンティア~前編~
「まあ、あいつのことはいいとして……俺達は、イリアちゃんの顔を見る為にアカデミーに来たんだよ」
「わ、私のですか?」
「本当は、あいつの為なんだけどね」
後ろを向いてしまったソラに視線を送りつつ、アカデミーに来た経緯を話していく。その内容に聞き耳を立てていたユアンは、噴出してしまう。するとユアンの存在に気付いたイリアは一瞬にして顔を赤く染め、更に裏返った声音で、ユアンのファミリーネームを名前を叫んでいた。
「こんにちは、ランフォード君」
「あ、あの……あの件のことですが……」
「例のことは、ゆっくりで構わない。まずは、卒業のことを考えよう。このことで留年になったら困る」
自分の卒業のことを心配してくれていることに、イリアはますます顔が赤くなってしまう。そして、尊敬の眼差しを向けていた。優しい人物――どうやら彼女の頭の中には、これしかない。
「話の腰を折って悪いが、彼を借りていく」
「人生のアドバイスですか?」
「まあ、そのような感じかな」
ユアンはソラの腕を掴み、人気のない場所に連れて行く。引っ張られるかたちでつれていかれるソラに手を振ると、カディオはイリアに話し掛ける。どうやら、ナンパに近いことを行うようだ。
一方、ユアンに捕まったソラは不機嫌そのもの。会いたくもない人物と二人きりというのは彼にとって苦痛の何物なにものでものなく、目を合わせることを行わず視線は楽しそうに会話をしているカディオとイリアに向けられていた。それでもユアンは、関係ないとばかりに話し出す。
「相変わらずだね」
「オレは、貴方のことが嫌いですから」
「君に、拒絶されるようなことを行った覚えはない。寧ろ、協力をしていると思える。違うかな」
「貴方がそのように思っていても、オレにはあります。いえ、オレ達と言うべきでしょうか……そうでしょう? ラドック博士。貴方がやっていることを肯定できないのは、オレ達なのですから」
敵意が込められた声音に、ユアンは余裕綽々だった。相手を威圧する台詞であっても、彼にしてみれば馬耳東風。それに悪意ある言葉であろうとも彼は褒め言葉として、受け取ってしまう。ある意味で、強い精神力の持ち主。しかし、これでなければ科学者は勤まらない。