エターナル・フロンティア~前編~
「で、帰れるか?」
「おう! 気合で何とかしてやる」
今のカディオにとって「殴られた」という事実は、過去の出来事。深い繋がりを持つ友人同士。このようなことは、日頃のコミュニケーションとして受け止めている。そして言葉ではあれこれ言うも、それを態度で示すことはしない。両者の使い分けは、思った以上に上手い。
「やっぱり、タフだよな」
「鋼の肉体と呼んでくれ」
「でも、一発で倒せたぞ」
「そ、それは。お前が持つスキルが影響している」
「そうか?」
次の瞬間、二人は大声で笑い合う。その時、タツキの言葉を思い出す。この姿こそ、ソラが求めていたもの。まさに、それが当て嵌まっていた。決して偽善行為ではなく、同時にあることに気付かされる。本当の幼馴染とは――しかし、明確な答えを出すことはできない。
「行きたい所はあるか?」
「いや、別に」
「そっか。って、おお! 忘れていた」
何を思い出したのかカディオはいきなり叫ぶと、ソラの肩を掴みおもいっきり身体を振る。
「な、何だよ」
「イリアちゃんの好みを聞くのを、忘れていた。これを聞かないと、プレゼントが渡せない」
「そうだったね」
「お前は、冷静すぎる」
「別に、どうでもいいよ」
最初から興味を示していなかったソラは、適当に言葉を返す。カディオの表情は真剣そのもので、それはまるで自分の恋愛のように騒ぎ立て今から聞きに行こうと言い出す。だが、ソラにとってはどうでもいい内容であった。そう、今年も適当に渡すつもりであったからだ。
「行くぞ」
「帰って休みたい」
実際のところ、これが本音であった。いくら体調が良くなったといっても、本調子ではない。それに、いつまた発作が起きるかわからない。ソラは発作が起こった時は横になっていることが多く、動くのが辛い。最近は慣れてきた。上手く付き合う方法を見出したからだ。