エターナル・フロンティア~前編~
「……忘れていたのに」
「お前が、筋トレをはじめるからだ」
「心の傷が……」
「今更、何を言う」
「相談は、終わった」
しかしソラは、否定していく。カディオの最終目的は、彼女を作るということ。だがその過程に出会った女性には、玉砕し心を傷付けた。そして復活を遂げたカディオは、改善方法を求めてきたのだが、すっかり忘れてしまっている。そのことに、ソラは頭が痛かった。
「それなら、オレは出掛けるよ」
「なら、俺も行く」
「別に、ついてくる理由はない?」
「いいじゃないか。一人で行くより二人で行った方が、絶対に楽しいって。だから、連れていけ」
それは、自己を満足させる発言であった。完璧に寂しさを紛らわす道具とし、楽しんでいた。特に、ついてこられても問題はない。だが、逆に考えるとついてくるだけの理由もない。
「面白くないよ」
「で、何処へ行くんだ」
「墓参りだよ」
「墓参り? 何だ、期待していたのに」
「だから、面白くないと」
何気なく発せられた単語にカディオは首を傾げるも、その意味を理解する。ソラが墓参りをする相手、それは両親か友人だ。そのどちらだろう――カディオは、尋ねることはしない。
この場合友人として尋ねる権利を有しているが、言葉として発していいものではない。いい加減な一面を有するカディオであったが、聞いていい事と悪いことは即座に判断できる。これも能力者という存在を理解している証拠というもので、これはカディオしかできない。
「それでも行くか?」
「まあ、ついていっていいのなら」
「オレは、構わないよ。お前なら……ね」
深い意味合いを含んでいる言葉であったが、カディオは無言で頷くしかできなかった。それと同時に、カディオは嬉しいという感情が込み上げてくる。包み隠さず明かしてくれるというのは、相手を信頼しているという証拠だ。無論、二人の関係は幼馴染以上に深かった。