エターナル・フロンティア~前編~
「先程言っていた喧嘩にも関係しているが、美味しい手料理でも食べさせれば仲直りができる」
「そういうものですか?」
「そういうものだよ。覚えておくといい」
しかし、ソラの方が料理の腕前は高い。果たして、上手くいくのだろうか。全ては、料理の腕に掛かっている。イリアはそれなら料理の勉強を真剣にしておくべきだったと、後悔してしまう。
だが、試してみる価値は高い。それに、異性に手作り料理を食べてもらうのは、女の子の夢。イリアは小声で何度も「料理」という言葉を繰り返すと、自分自身に気合を入れていく。ソラの料理の腕前は半端ではない。一流の料理人と評するのは大袈裟だが、それに等しい腕前を持つ。
現に、ソラの料理の評判はいい。
しかし、努力してみないとわからない。
イリアは、頑張ろうと決意する。
「頑張ります」
「努力家の君だから、大丈夫だ」
「はい。有難うございます」
その言葉に表情が明るくなり、元気いっぽいに返事を返す。そんなイリアにユアンは微笑み返すが、内心は違う。更に濃い闇が覆いつくそうとしていたが、イリアは何も気付いていない。
楽しい会話を続けていると、いつの間にか目的の場所に到着していた。そのことに驚いたイリアは、自信の膝の上に置いてあったノートパソコンとユアンの顔を交互に見る。私的な内容の会話で、大切なことを聞くことができなかった。だが、ユアンは特に責めようとはしない。ただ「自分も悪かった」と言うだけで、面白い会話だったと笑うだけであった。
「続きは、食事をしながら話そう」
「はい。宜しくお願いします」
「パソコンを立ち上げたのに、すまないが電源を落としてほしい」
様々な頼みごとをすることに申し訳ないという感情を持っているのか、苦笑いを浮かべながらイリアに頼む。動作のひとつひとつに、相手を思い遣る心遣いを表現していくユアン。だからこそ、異性に限らず同性からも尊敬の対象となり、男に好かれる男はかっこいい。
その動作は、決して嫌味には見えない。ごく普通に行い、相手に好印象を与えてしまう。これは意識して行えるものではなく、生まれながらにして持っているものだろう。これを真似できる人物は、この世界に何人いるというのか。生来の天才は、様々なスキルを見に付けていた。