エターナル・フロンティア~前編~
それは、行きたいという思い――
それさえ見抜いていたユアンは、敢て何も言わない。人生の選択は、己自信でするもの。他人の力を頼る場合もあるが、最終的な答えは自ら出さないといけない。そう、行くか行かないか。
「質問していいですか?」
「構わない」
「博士は、どちらを望みますか?」
「何を?」
「先程の内容です」
その質問内容に、ユアンは思わず苦笑をしていた。そのような質問をするのは、心の中では「行きたい」と思っている証拠。行きたくないと思っているのなら、最初から否定する。
「僕は、ランフィード君の選択に従うよ」
「そうですか……」
ユアンが「来てほしい」と言ったとしたら、イリアは即答していただろう。望まれて行くほど、嬉しいことはない。しかしユアンは言葉を曖昧にし、彼女が望む言葉を与えてはくれない。
その時、ユアンが言っていた「他にも」という言葉が気に掛かってしまう。その中に優秀な人物が含まれているとしたら、彼は何と言ったか。もし、イリアより優しい言葉を言ったとしたら――
だが、イリアが抱くのは勝手な妄想であり幻想であって、これが事実とは限らない。それでも湧き上がった妄想は抑えることはできず、思わずユアンの顔を凝視してしまう。それは、突然の変化であった。ユアンはイリアの変化に目を丸くしてしまい、質問を投げ掛ける要因となる。
「何か悪いことを言ったかな?」
「他の方々は、どうしたのですか?」
「他の方々?」
「ラドック博士が、声をかけたという人です」
「ああ、数人は了承してくれた」
淡々と答える台詞に、イリアの表情が徐々に悪くなっていく。相手がユアンだということを忘れているのだろう、いつも以上に饒舌になっていく。流石のユアンも、驚くしかない。
ユアンの意見としては、実にわかり易い情勢だ。今まで出会った女性の中には性格面が判断し易い人物も多く存在していたが、イリアのような初な人物はとても珍しい。しかし、ユアンはその人物に出会った。意外に近くに存在し、まさか二十歳にも満たない女性とは――