エターナル・フロンティア~前編~

「紹介って言われても忙しそうだし、ダメだと思うし。それに、恋愛に興味ないって言っているから」

「そうなの? そのような男ほど、純情なのよ。だから大丈夫。安心して。別に、イリアの幼馴染みを取ろうと言っているわけじゃないの。ただ、どんな人なのか会ってみたいだけ」

「そうそう、もったいぶらないでね。で、その彼って何歳でどのような仕事をしているのかしら? 同じ、アカデミーの生徒? それとも、会社員? 個人的には、他の職業がいいわ」

「ねえ、どうなのよ」

 話が恋愛の方向に進むにつれ、彼女達はイリアの幼馴染の素性を聞き出そうとする。これ以上は危険と判断したイリアは今すぐに逃げ出したい心境に駆られるが、がっちりと服を掴まれているので逃げ出すことはできない。どうやらプライバシーの侵害と訴えても、二人には関係ないらしい。

 このような性格だから、友人達には彼氏はいない。だからこそ、イリアに男の幼馴染がいるということが面白い対象となってしまう。半分は、嫉妬心からくるものだろう。女の恋愛に対しての感情ほど恐ろしいものはなく、ピリピリとした殺気が走っていることにイリアはなきそうであった。




「……どうして私だけ」

 追い込まれた状況の中で発した言葉というのは、これであった。結局根掘り葉掘り聞かれ、イリアは幼馴染の素性について答えてしまう。流石、プライバシーの侵害という言葉を持ち合わせていない二人。ただ自分の好奇心を満たしてもらえればいいという、本当に迷惑タイプといっていい。

 幼馴染は、二人が好きだと言っている職業です。

 その職業を知った途端、友人達は黄色い悲鳴を上げ顔の原型が崩れるほど喜びはじめる。その理由は、とても簡単。イリアの幼馴染が、連邦所属の軍に所属していたからだ。アカデミーの生徒の間では軍人はとても人気がある職業で、結婚したい相手ナンバー1という程だ。

 イリアが通うアカデミーと連邦とは、深い繋がりがあった。共同研究という名目の下、様々な研究を行っている。その為、連邦の関係者がアカデミーに出入りすることも珍しくはない。

 無論、その中に軍関係者が混じることが多々あった。そのことを利用し、軍人に声を掛け個人のメールアドレスを聞き出す勇気のある凄い生徒もいるという。それは女子生徒だけに限らず、男子生徒も人目を憚かり声を掛けていたりするのだから彼等の人気ぶりがわかる。
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