エターナル・フロンティア~前編~

 男の場合は上手くいくことが多いが、女となるとどうも上手くいかない。規律が厳しい中に身を置いているので、そのような行為に興味がない。というのが理由だろう。だが、上手くアドレスを聞き出したとしても結ばれることは滅多にない。互いに忙しく、自然消滅になってしまう。

 イリアは「何故、これほど人気があるの?」と、一度クラスメイトに聞いたことがあった。すると、黄色い悲鳴を上げ熱を上げている者達から返ってきた理由というのは「外見がかっこいいし、強そうなところがいい」というシンプルな答えに、今でも驚きを隠せない。

 また回答の中には、違う答えもあった。それは「軍服とルックスが合っているから」という惚気に近いものであった。要するに、軍人だったら何でもいいということだろうが、そのようなことで恋愛相手を見付けるということ自体、イリアには考えられない内容だった。

 ふと、幼馴染みが軍服を着ている時の姿を思い出す。確かにクラスメイトが言っていたようにかっこいい外見をしていたが、本人の目の前でそのようなことを言ったら、どのような答えが返ってくるだろうか……彼の性格を考えれば、素っ気ない返事が返ってくるに違いない。

 イリアの幼馴染は、特に外見を気にしていない。全ては中身が重要だと思い、変に着飾る女性が嫌いであった。化粧と宝石で身を固めるということは、自身の醜い部分を隠している。幼馴染がそのよいに言っていたことを思い出したイリアは、その言葉を2人の姿に合わせてしまう。

「私の友人と会ってください……か」

 一般の人間が体験できない、厳しい環境に身を置いている存在。勿論、そのことはイリアも承知している。だからこそ、このようないい加減の代名詞である友人達に会わせ楽しんでいいものなのか考えてしまう。それに、幼馴染の置かれている立場もわからないでもない。

(こんなことを言ったら、絶対怒られるだろうな。だって真面目な話ではないし、それに……)

 幼馴染は、根が真面目すぎる。だから恋人探しの道具と知れば、口を聞いてくれない可能性も高い。このようなことで関係が破綻となってしまったら、イリアにとっては哀しい出来事。それに喧嘩したとなればこれも恰好のネタとなってしまい、彼女達は腹を抱えて笑う。

(どうしよう)

 会いたいと言われている手前、会わせないわけにもいかない。しかし、幼馴染との仲を壊したくもない。どちらを取るべきか悩むイリアは苦悶の表情を浮かべ、唸り声を上げる。するとその姿を病気で苦しんでいると勘違いした乗客が、近くにいた乗務員にそのことを知らせた。
< 21 / 580 >

この作品をシェア

pagetop