エターナル・フロンティア~前編~

 それに多方面から物事を見ることができるようになり、結果的に世の中の多くの矛盾を知る。そのひとつが、能力者の真実と生き方。現実は悲惨といっていいもので、真実は全くの嘘。

(何をしたいのか)

 それは、か弱い者を救う為に存在している。入隊当時、そのようにカディオは聞かされた。しかし「か弱い者」とは何を指し示しているのか、あまりにも不透明すぎてわからない。

 そもそも、人類がか弱いというのはおかしなものがあった。これだけの科学力を有している者が、何を恐れているというのか。そして何故、自分達をか弱い生き物と言い続けるのか。

 この先に待つ未来か、それとも――

 いや現実問題、綻びが生じている。

 その時、カディオの脚が止まる。それは目の前から、自身と同じ色の軍服を着た若者が、喋りながら歩いてきたからだ。すると相手もまたカディオの存在に気付くと会話を止め、此方に近付いて来る。

「よお! 久し振り」

「随分、早いな」

「優秀な者が多いからな」

「お陰で、物事が捗る」

 自画自賛とも取れる言葉に、カディオは反論しようとはしない。人間は何かしらプライドを有しており、それは大小の問題だ。そしてそれを学んだのは、ソラとの出会いによるもの。だからこそこのような馬鹿らしい態度を見ても、腹立たしいとは思わない。寧ろ、相手を哀れむ。

「それはそうと、また付き合っているのか? 本当に、物好きだよな。何で付き合うのか、まったくわからない」

「いつか、怪我するぞ」

「その時は、頼るな」

「まあ、頼ったところで、どうすることもできないが。あいつらの力って、本当に脅威だよ」

 冷静な態度を見せていたカディオであったが、流石にこの言葉には過敏に反応を示してしまう。付き合っているかどうか知りたい相手――それはソラのことであり、彼等は軽蔑していた。

 カディオが見せた微かな反応を、相手は見逃さなかった。すると何を思ったのか、急に笑いだす。一体、何がそんなに面白いのか。訝しげな表情を浮かべていると、相手が言葉を発した。それはあまりにも一方的な評価で、ソラ達を見下し馬鹿にしているといっていいものだった。
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