エターナル・フロンティア~前編~
「物好きってことだよ」
「物好き?」
「そうだよ。あのような奴等と、付き合っているのだから。俺達は、それが理解できないんだ」
相手が発した言葉はソラ個人を中傷するものではなく、大勢の能力者も含まれていた。所詮彼等にとって、何人いようが関係はない。ただ見方と感じ方は同一であり、返される言葉もそれに等しかった。それに言葉の端々には鋭い刺が含まれており、彼等は能力者が嫌い。
「好奇心とか?」
「言われてみれば、面白いよな」
「あんな力を持って、生まれてくるのだから」
他人の異なる部分を決して認めようとはしない自分勝手な台詞に、カディオは情けないという感情しか浮かばなかった。能力者が持つ力は、人類の進化の過程で得た力だとされている。
つまり彼等は、一般の人間より優れた体質の持ち主といっていい。しかし、多くの者達はそのことを認めようとはしない。これを進化というひとつの枠に納めず、異端と認識してしまう。
それは、何故か――
ふと、タツキに言われたことを思い出す。
――所詮、恐ろしいのよ。
その言葉が脳裏に過ぎった瞬間、カディオは肩を竦めていた。
「何だ、その態度は」
「別に。意味はないよ」
「化け物と付き合って、変わったか?」
「化け物と言うな!」
聞き捨てならない単語に、カディオは大声を発してしまう。突然の感情の爆発に、相手は戦く。しかしすぐに落ち着きを取り戻すとゲラゲラと笑い出し、カディオの言動を馬鹿にする。
「化け物を化け物と呼んで、何がいけない」
「大勢が、そう呼んでいる」
「あいつ等は、化け物だよ。俺達は、あのような力は持っていない。つまり、一般の人間ではない」
理路整然と話していたが、それは力を持たない者のご都合主義。そしてその考えの結果、能力者がどのような状況に置かれているのかは、知っているようで知らない。全ては、噂によるもの。そして噂は規模を大きくしていくにつれ、徐々に形を変えていく。その結果が、これであった。