エターナル・フロンティア~前編~
「繊細って……」
「いいじゃないの」
「まあ……そうだな」
いい加減なことを言い続けているタツキであったが、それなりに考えていた。それは、立派とも取れる内容であったが、いかんせん頑張っているところが表面に出にくいという部分がある。
タツキ曰く「のんびりとしたい」らしいが、その意見に関してはクリスも賛成であった。何かと忙しい毎日。互いの職種は違うが二人は仕事に追われて生活を送っているので、たまの休息は必要だ。
「それなら、食事にでも行くか? 綺麗な風景を見ながら、のんびりとするのも悪くはない」
「それが、一番かしら」
「ついでに、一泊してくるか」
「久し振りに、エステに通いたいわ」
「お、おい」
「いいじゃないの」
なんだかんだで内容は決定したので、問題は目的地。するとタツキは、前々から泊まってみたいと思っていたホテルの名を上げた。其処は三ツ星ホテルなので、クリスも名前を知っている。
「高いな」
「全員で出せば、大丈夫よ」
「まあ、そうだな。うん? 全員ってことは、俺とお前と……いいのか? 相手は、何も知らない」
「ソラ君は、優しいわ」
微笑ながらそのように言うタツキであったが、額には汗が滲み出ていた。どうやらその点を考えずに決めてしまったらしく、内心どうすればいいのか悩んでいた。いくらソラとはいえ、金銭が絡む問題を簡単に受け入れることはできない。ましてや、三ツ星ホテル。場所が悪すぎた。
「俺は、言わない」
「提案したのは、貴方でしょ?」
「ホテル名を上げたのは、タツキだ。俺は別に、普通のホテルでも構わない。食事だけ豪勢ならいいんだ」
鋭い指摘に、タツキは口をつむぐ。いつもなら強引に話しを推し進めてしまうが、今回の件には、ソラが絡んでいた。タツキは暫く唸り声を発していると、珍しいことに素直に謝ってきた。どうやら自ら折れるということを選択したらしく、どのように足掻いても分が悪い。