エターナル・フロンティア~前編~
愛している者同士、いつかは結婚という確実な愛の形を取る者もいる。しかしタツキの意見としては、好きなら好きでいい。だから、どうして「結婚」という形式を取るのか。当時、そのように質問されたクリスは、何も答えることはできなかった。だが、今は違った。
「結婚は、すると思うな」
「アタシが?」
「以前、俺に質問しただろ。結婚の意味合いを――」
「そういえば、したわね」
「俺なりの考え方だが、要は証拠が欲しいんだと思う」
「証拠?」
「お前が言っていただろ? 別に結婚などしなくても、好き同士ならそのまま暮らしていればいいと」
結婚というのは、法が正式に決めた夫婦関係。揺ぎ無いそれは信頼関係と安心感を生み出し、互いを強く結びつける。愛し合っている者同士とはいえ、それは完璧なものではない。
だからこそ、それを強固に結びつける「何か」が、必要であった。それが結婚という行為であって、大きな意味合いが存在していた。だからこそ、多くの者が婚姻関係を結ぶと話す。
「面白い考え」
「俺は専門家ではないから、間違っているかもしれない」
それに関しては同調できるらしく、クリスの意見にタツキは特に異論を唱えることはない。それでも自身の結婚は今のところないらしく、全てを片付けたら考えてもいいとクリスに話す。
しかし――
それがいつになるかは、わからない。もしかしたら、永遠に無いという可能性も考えられるが、タツキはそれを受け入れた。これは自分に課せられた運命というばかりに、全てを――
「ところで、ご飯は?」
「ああ、そうだった」
「どうも、貴方と話すと暗い話になってしまうわ」
「仕方ない。互いの職業が、あれだからな」
「まあ、そうね」
その言葉に二人は苦笑してしまうが、それは仕方がないといっていい。能力者が置かれている立場を考えれば、このようになってしまう。何より、普通に過ごしている間も彼等のことを考えてしまう。それだけ彼等に対して思いが深く、幸せに暮らして欲しいと二人は願う。